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地中配電線
地中配電線は、主にCVケーブルが採用される。古くは3心一括シース型のCVケーブルであったが、近年は単心ケーブル3条を撚り合わせたトリプレックス型CVケーブルが主流になっている。
図に3心一括シース型CVケーブルとトリプレックス型CVケーブルの構造を示す。
トリプレックス型は端末処理が容易である等のメリットがあり、標準的に使用されている。
高圧(6.6kV級)ケーブルと低圧ケーブル(600V以下)の構造上の違いを別の図に示す。
高圧ケーブルの金属遮へい層(主に銅テープ巻)は両端又は片端で接地する。これは、感電防止のため及び地絡・短絡事故時に速やかに事故電流を検知して当該線路を遮断するためである。


3心一括シース型とトリプレックス型の違い


高圧ケーブル(6.6kV級)と低圧(600V以下)ケーブルの構造上の違い

高圧(6.6kV級)CVケーブルは昭和40年代以降長らく「水トリー劣化」という事象に悩まされてきた。この現象は水と電界の相互作用で水分が絶縁体中にトリー状に進展して絶縁破壊に至るものである。現在は内部半導電層と外部半導電層の押出し化、乾式架橋の採用、絶縁材料のクリーン化等各種の改良により概ね解決している。
改良前の既設線路の水トリー劣化診断は、直流高電圧(DC 5~10kV)による絶縁抵抗測定法が有効とされている。この方法は、絶縁体を貫通する大きな水トリーが発生した場合にしか検出できないという難点があるが、6.6kVクラスのCVケーブルは、絶縁体を貫通する水トリーがあっても、その数がわずかであれば絶縁破壊に至らないという特性があり、絶縁抵抗診断法は有効な劣化診断手法として広く利用されている。
なお、特別高圧~超高圧のCV・CAZVケーブルの場合は、電圧が高いため貫通水トリーが生ずる前に絶縁破壊する。そのため絶縁抵抗診断法は役にたたず「残留電荷法」他各種の劣化診断法が提案されているが、ケーブル布設現場での高精度の測定は難しく、広く利用されるには至っていない。
超高圧CAZVケーブルでは、アルミシースを施すことにより水トリーの原因である水の浸入を遮断する方法が採用されている。